LEGO ROBO #002「Virgin Bourbon」

LEGO

読者諸氏、ごきげんよう。

すっかりゴーストブログ化している当ブログであるが、管理人K氏は死んではいないし、まして多忙であるわけでもない。単なる怠惰、熱意の失落、興味の遷移である。

そう、この空白期間の発生理由はARMORED CORE 6が発売されたからに他ならない。今作について、僕は武器腕の有無について大変興味があった。
結果的には武器腕は実装されなかったが、ACV→ACVDの例のごとく次回作での目玉の一つとしてとってある感も否定できない。

「武器腕」
人の手を模したマニピュレータを廃し、腕そのものを武装化したモノである。
必然、その容姿は人のそれから離れるので通常の二脚に合わせるとかなり異様な風貌になる。これはこれでカッコよさがあるのだが、逆関節脚に合わせるとバッチリハマる。
それはもうH公差で精密につくられたシャフトとブシュ並の嵌合具合である。

今回のレゴロボもパイロットと合わせてつくってみた。
それでは、紹介していこう。

Pilot name : Flea
Frame name : Virgin Bourbon

武器腕のグレネードキャノンを主軸に構成された逆関節機体。
急接近からのトップアタックを主戦法とし、鈍足な機体には無類の強さを誇る。
フリーは生来の楽天家で、物事を深く考えることはない。
その性格は機体構成にも如実に表れており、急接近して両腕の連装グレネードを浴びせるという極めてシンプルな戦術を核にしている。
彼女曰く、パーツは全て見た目と気分で決めていると言うが、その全てが戦術にハマっており俄には信じがたい。
機体名はお気に入りのウイスキーからとっている。
非処女。

HEAD:
極限まで軽量化を追求しており、最低限の機能と装甲しか持たない

CORE:
空力特性に優れ、高速戦闘に向く

ARMS:
リボルバー式のグレネードキャノン
6発×2砲の連射は圧倒的な瞬間火力

LEGS:
跳躍性能に優れる軽量逆関節モデル

BACK UNIT L:
追尾能力に優れる連装ミサイル
装弾数は少ないが軽量

BACK UNIT R:
自機追従式の実弾オービット

以上である。

続いて解説をしていこう。

まず、逆関節のスタイルは2通りある。
1つ目は初代〜3系までの膝関節が1つのタイプ。
2つ目は4系以降の膝関節が2つあるタイプ。
個人的には後者の方が好きだ。
何かの資料で「関節数が多く跳躍力に優れる」といった解説が載っていて、なるほどと独りごちた記憶がある。
それまで(〜3系)は「なぜ関節が逆なだけで跳躍力が高いのか」ずっと疑問だったが、4系以降では設定の裏付けがついたのである。(初代系も知らないだけで設定があったのかもしれない)

前回も言ったが、ロボのかっこよさは脚で決まる。
逆関節は跳躍力が最大のメリットだ。
これをデザインで表したい。
跳ぶ時にもっとも重要な筋肉はふくらはぎだと思っているのでそこに相当する部位にシリンダーを設けた。これが跳躍時に伸縮するという設定。
膝関節の裏側にはお決まりのブースタをあしらった。
そして今回、「尻」にはダックテールよろしくプリッとした尻尾をつけてみた。
最初は下向きに垂れさせていたが上向きの方がアグレッシブで良いと思いこのような形に。

改めて考えてみると、ロボの尻には何があるべきなんだろうか?
補助ブースタ?装甲板?そもそも何かをつけるのが間違っているのか・・・
答えはないがロボは人の体とは異なり「突起」に溢れているので尻をストンと真っ平な造形にしてしまうとそこだけ浮いて見えがち、と僕は思う。

コアはスタイリッシュなシルエットにしたかったので自然と細長タイプになった。
軽量機なのでなるべく細身にしたいが、苦心したのはコクピット。
前作よりも横幅を縮めないと軽量級という設定が崩壊してしまう。
正直もう少し軽さを出したかったが、現状の腕前ではこれが限界である。
首周りにあるギザギザタイルは空気の流れを敢えて乱すことで空力特性を改善する所謂ボルテックスジェネレータをイメージ。
肩関節部にある三角パーツは防弾を兼ねた整流板。
肩武器の懸架部は最後まで迷ったが軽さの演出として肉抜きが多いパーツを使った。

頭部に関しては特に言うことはない。
手遊びの産物だが、すっきりまとまっていて潔い。
こういう頭を常につくりたい。

そして目玉の武器腕。
これがかっこ良くなければ台無しである。

リボルバー弾倉部は昔つくって放置していたモノの流用だが10年ぶりに日の目を浴びることとなった。
流石にリボルバー部だけでは弾数が心許なかろうと思い、箱型弾倉を別個設けてリロード機構まで考えた。かっこよさ的にもリボルバーはリロードしてなんぼなのである。

武器腕逆関節を最大限強調したいので肩武器はシンプルなアウトラインを心掛けた。
ミサイルの方はさておき、オービットは収納形態がすっきりまとまらず苦労した。
かなりずんぐりした見た目になってしまったがホルダー部と一体感があって一見オービットに見えないのが良い。
青の炎パーツが浮遊感の演出としていい具合にはまっている。

さて、総評である。
つくった後に気づいたことだが、なんとなくイタリアンなデザインになった気がする。
これは別に自画自賛では無く、完成物を眺めていたらFERRARIやDUCATIが頭に浮かんだのだ。
主にコアと頭部から醸し出される雰囲気がそれを彷彿させるのではないだろうか?
今は日本車も先進的なデザインが増えたなあと思うが、僕がナウなヤングだった一昔前はイタリアンデザインはやはり垢抜けて見えた。
それはセンスの差というよりは仕組みや文化の違いによるものだろう。センスのいい人はどの国にもいるわけで、その芽を摘むか伸ばすかなだけだ。
日本に限らず近年はあらゆる分野のメーカがこれに気づいて、急激に各国間のデザイン格差が減っていった。もちろんヘッドハントによる人材流出もあるだろうけども。
工業デザインにおいて、各国の差が均されてきている、と言える。

しかしレゴロボに関しては海外と日本で感覚が未だに全然違うような気がする。
日本人は見た目以外にも間接強度や可動域にもこだわるが、デザイン面ではなんとなく「二番煎じ」を感じるものが多い、自分もその一人だが。
海外レゴロボ勢の作品を見ていると自立性を無視していたりもするが「全くもって見たことない」ものが時々流れてきて感銘を受ける。
これは単純に自分が日本に住んでいるからなだけであって、海外勢からしたら逆の印象を持たれている可能性も多分にあるが。

うまく纏まらないが、利益が付き纏う工業製品と、完全なる個の表現である芸術品との違いを、レゴロボに垣間見た気がする。


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